「…本当に強い人間は、泣く事を恥とは思わんさ。」

盲目の居合いの達人。心眼を極めたともいえるその太刀筋は、常人には全く肉眼で確認できない程。しかし彼は闘いを好まず、世捨て人として街の片隅でひっそり暮らしている。元は凄腕の傭兵として「閃光の牙」と恐れられた存在だが、とある闘いで雇い主に裏切られ、命からがら脱出するも光を失ってしまう。しかし、助けてもらったとある集落の人々の暖かいもてなしに、自分の世界を見る目が間違っていた事に気付き、真の光を得る事ができた、と悟る。こうして彼は、視力は失ったが、相手の心を見極める事ができる「心眼」を得、より一層剣の鋭さは増す事となった。しかし彼は、利益や欲望の為に剣を振るう事はしない。あくまで自衛、やむおえず振るわねばならない時以外は、剣を振るおうとはしない。それゆえに正義も悪も無く、ただその行方を見守っている。