「俺は…俺は今、風になった!」

誰よりも速く走る、驚異の韋駄天サイボーグ。しかしながら、その俊足はひったくりに使われる。時速700キロの猛スピ−ドで目標に接近、ふっとぶ目標から獲物を奪い去る。大金が欲しい等の欲望ではなく、物をひったくる快感の為に、ゴーヨックの改造手術を受けた。その驚異の俊足で、あるとあらゆる人間からひったくり、そして見事に逃亡する。彼を捕らえるのは至難の技といえよう。「自分は風のように自由な存在」などという妄想に取り付かれており、それとどうしてひったくり行為が結びつくのかは謎だが、とにかく彼自身の他人には理解できない自由への定義が彼を動かしている事は間違い無いといえよう。特にこれといった武器はもたず、その俊足のみで相手をかく乱、そして逃亡する。彼にとってはひったくる事、走る事のみが欲望であり、その他の事には一切興味が無いのである。